——脚本を読まれた感想をお願いします。
黒岩さんが脚本を手掛けた作品には以前にも出演させていただいたことがあって。あらためて、観客を引き寄せていく展開がすばらしく上手な方だなぁと思いました。
——今回演じる矢神勇磨はどのようなキャラクターですか?
矢神家の一員として複雑な生い立ちがあるキャラクターです。ひと言でいえば嫌なヤツ。完全にヒール……なんですけど、ただそれだけではありません。今後、物語が進んでいく中で、なぜ勇磨がこのような行動を取って、こういう立ち位置で、こういう態度を取っているのか。作品にとっての伏線のひとつでもあると思います。遺産を巡る争いの中で勇磨は、伯朗にとって大きな壁になっていきますので、ぜひそこに注目していただきたいですね。
——勇磨を演じるにあたり心がけていることは?
自由に思いっきりできるじゃないですか、ヒールって(笑)。だから悪いヤツでいていいっていう楽しみがあるんです。勇磨に威圧感があればあるほど、相乗効果で物語全体が面白くなるので、そこは思いっきりやりたいな、と。また威圧感に説得力を出すため、物腰や間の取り方、身に着ける物、ヘアメイク、自分を取り巻くすべてのモノをコーディネートして、なかなか乗り越えられない壁みたいな存在になっていくことが大事なのかなって思っています。
——妻夫木さんと共演された感想は?
ブッキー(妻夫木)とは初共演なんです。けれど、同世代(同じ歳)なので共通の話題も多く楽しいですね。
——妻夫木さんとの芝居で印象に残っていることは?
伯朗が勇磨につかみかかるシーンがあるのですが、リハーサルのときは手加減してくれていたんです。けれど本番では首がグラグラ揺れるほど全力でぶつかってきてくれて。撮影後に「実は俺、首がダメ(昔、ケガをしている)んだ」という話をして、ブッキーに気を使わせてしまいました。でも、とてもいいシーンに仕上がっていると思うので、それがどのシーンなのかは、ぜひOAを見て確かめてください。
——明人の妻を名乗る楓に対して勇磨はどのような行動を取っていくんですか?
勇磨は楓に対して、すごく積極的にアプローチしていきます。そもそも『危険なビーナス』ってタイトルにある通り、楓はすごくミステリアスな女性。そんな中で勇磨の楓に対するスタンスは、今後も変わらないと思います。
——矢神家にはそうそうたるメンバーが集まりました。
矢神家が集まるときは、緊張感のあるシーンになっています。広い空間で、あれだけのメンバーがそろって、しかも矢神家のみんなは自分のことだけしか考えてない。フィジカルなぶつかり合いはないんですけど、牽制だったり、言葉のやりとりや、それぞれの視線まで物語の見どころになっているんじゃないかと思います。
——最後に視聴者の方たちにメッセージをお願いします。
勇磨はとにかく悪いヤツです。でも、応援していただけたらうれしいので、ぜひご覧になってください。